太る体質は遺伝が関係している?【肥満遺伝子は存在します】
「ダイエット頑張っているのに痩せない」
「水を飲んでも太る」
そういった方は、もしかしたら、体質が関係しているかもしれません。
この記事では、
「太りやすい体質と遺伝子について」
「遺伝子検査キットについて」
「体質を改善するための方法」
を解説します。
目次
太りやすい体質は遺伝子のせいかも
“太りやすい体質”には遺伝子が関係しているかもしれません。
肥満には「遺伝子的な要素」も関与する
肥満の多くは生活習慣だけでなく、遺伝的な要素も関与しています。
「少食でも太りやすい人、大食でも太りにくい人」は確かに存在する、と林先生。
しかし、遺伝的な要素に負けずに太りにくいカラダを作ることは可能です。
引用元:太りやすい人、太りにくい人の違いって何? ドクターに聞きました
肥満遺伝子を持っているパターンの方は、確かに“太りやすい体質”です。
遺伝子というのは、タンパク質の設計図です。
個体差というのは、遺伝子によって生まれます。
肥満遺伝子には主に4種類あります。
- β3AR(β3アドレナリン受容体遺伝子)
- β2AR(β2アドレナリン受容体遺伝子)
- UCP1(脱共役タンパク質1遺伝子)
- FTO
>あなたの痩せられない理由を遺伝子から明らかに!FiNC肥満遺伝子検査
β3AR(β3アドレナリン受容体遺伝子)
β3ARは、脂肪の分解に関わる遺伝子です。
日本人の34%が持っています。
①β3-アドレナリン受容体遺伝子(β3AR)
β3ARは、日本人の約34%に存在する遺伝子です。
糖分を分解するインスリンの分泌量が少ないので、メタボリック症候群や糖尿病を発症しやすいことがわかっています。引用元:おじちゃんの英語維新
β3AR遺伝子の作用は2つに分かれます。
- 褐色脂肪細胞で熱産生する
- 白色脂肪細胞で脂肪分解に関わる
要約すると、体の熱産生が下がって代謝が落ちることと、脂肪分解がされにくいため、太りやすくなります。
β3AR遺伝子を持つことで、1日200kcalも多く消費しなければならないとも言われています。
β2アドレナリン受容体(β2AR)
この遺伝子を持っていると、脂肪燃焼が促されます。
日本人の16%の人が持っています。
(逆を言えば、84%の人は持っていません)
β2ARを多く持っている人は太りにくい体質と言えます。
UCP1(脱共役タンパク質1遺伝子)
UCP1を持っていると基礎代謝が低下しています。
日本人の16%が持っており、また肥満女性の24%はこの遺伝子を持っているとされる。
この遺伝子を持っていると、並大抵の食事制限では痩せないと言われています。
FTO
食欲や熱産生に関与している遺伝子です。
この遺伝子を持っていると、食欲を高めるグレリンというホルモンの調節ができず、摂取カロリーが多い傾向になります。
17%の人が持っていると言われています。
体質を知るには遺伝子検査キットがオススメ
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β3AR、β2AR、UCP1、FTOの4つ遺伝子が太りやすい体質に関係しています。
これらの遺伝子は「遺伝子検査キット」で調べることができます。
>あなたの痩せられない理由を遺伝子から明らかに!FiNC肥満遺伝子検査
もし肥満遺伝子を持っていたとしても、絶対に痩せられない訳ではありません。
自分の体質を知り、傾向と対策をとることが大切です。
特に、摂取カロリーと消費カロリーを見直すことで、ダイエットを始める第一歩であり、ダイエットの基本です。
摂取カロリー-消費カロリー=体重変化に与えるカロリー
消費するカロリーが摂取するカロリーを上回れば痩せていきます。
痩せるために大切なのは基礎代謝と筋肉量
痩せるために大切なのは“基礎代謝”と“筋肉量”です。
基礎代謝というのは、生きているだけで消費するカロリーのことです。
カロリー消費には3種類あります。
1日に消費されるカロリー
・運動によるもの:20~30%
・呼吸や内臓の動きによるもの:10%
・基礎代謝によるもの:60~70%
基礎代謝とは呼吸や心臓の動きなど、寝ている間にも勝手に消費されていきます。
つまり、基礎代謝を高めることが、消費カロリーを増やすことに繋がります。
基礎代謝
女性 | 男性 | |
18~29歳 | 1,210kca | 1,550kcal |
30~49歳 | 1,170kcal | 1,500kcal |
50~69歳 | 1,110kcal | 1,350kcal |
つまり、「太りやすい体質」を「痩せやすい体質」に変えるため、には“基礎代謝”が大切ということになります。
“筋肉量”が大切になるのは、筋肉量が基礎代謝に関連しているからです。
端的に言えば、筋肉量が多ければ基礎代謝が高まり、消費カロリーが増えることに繋がります。
これに関しては下の項で解説します。
基礎代謝を高めて、痩せやすい体質になる
基礎代謝を高めることで痩せやすい体質になれます。
基礎代謝は1日のカロリー消費の約60~70%を占めています。
意外にも、運動による消費カロリーというものはあまり多くないのですね。
実は、1日で消費するカロリーの大半は、基礎代謝によるものなんです。
つまり、基礎代謝を高めることで、生きているだけで消費するカロリーが増え、“痩せやすい体質”になれるということに繋がります。
筋肉量が増やして、痩せやすい体質になる
筋肉量が増えれば痩せやすい体質になれます。
筋肉が増えると、基礎代謝(1日の消費カロリーの60~70%)と内臓の働きによる消費の量が増えます。
これには除脂肪体重(体重以外の体重)と、体温の2つが関係しています。
除脂肪体重増加で消費カロリーUP!
除脂肪体重とは、体脂肪(脂肪)を除いた体重のことを指します。
「筋肉を1kg増やすと基礎代謝が13kcal増える」と言われています。
これは特殊な条件下の話であり、鵜呑みにはできません。
ただし「筋肉量が増えることで基礎代謝が増える」という点は間違っていません。
筋肉を増やすことで得られる本当のダイエット効果は、除脂肪体重(体脂肪以外の体重)が増やせることにあります。
これまでの研究報告の中で差はあるものの、除脂肪量(=体脂肪以外の量)が1kg増えると、基礎代謝量は50kcal近く増える傾向にあります。
(体重が多い人と少ない人では、筋肉が増えた場合の割合に違いがあるので、報告によって差があるのは仕方ないことだと思います。)
1日に50kcalの消費カロリーが増えるということはどういうことでしょうか。
一見「たった50kcalか・・・」と感じるかもしれません。
しかし、年間で計算すると18,250kcalも消費カロリーを増やすことになるのです。
体脂肪を1kg減らすためには7,000kcalの消費カロリーが必要です。
(計算上でそう決まっています)
つまり、1日50kcalの消費カロリーが増えれば、年間で約2.6kgもの体脂肪を減らせることに繋がるのです。
ゆっくりと体脂肪を減らせるということは、体にとっても負担が少ないため健康的にダイエットができるということです。
体温が上がると消費カロリーUP!
体温が上がると1日の消費カロリーが増えます。
体温が1℃上昇すると、1日の基礎代謝は13%もアップすると言われています。
20~30代女性の平均基礎代謝は約1200kcalです。
13%アップするということは、1日で156lcalも余分に消費してくれることになります。
体温を高めるためには筋肉が大切です。
筋肉が動くときに熱を生み出します。
運動すると体が温まるのはそのためです。
筋肉は、姿勢を保つためにも常に働いています。
つまり、筋肉量が増えて体温が上昇することで基礎代謝を上げ、消費カロリーの増加に繋がります。
筋肉がつくと、ダイエット効果とリバウンド予防の両方が得られます。
「筋トレ」と「有酸素運動」が大切!

体質を改善するには「筋トレ」と「有酸素運動」の両方が必要です!
一口に運動といっても、運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」の2種類があります。
一般的には、ジョギングなどの運動が有酸素運動で、筋トレなどの運動が無酸素運動と、区分されています。
簡単に言えば、息切れしにくい軽い運動は有酸素運動で、息切れしやすい激しい運動が無酸素運動です。
ちなみに、無酸素運動は乳酸が溜まるので、だいたい40秒くらいが限界だといわれています。
※ただし、有酸素運動のジョギングでも、速度を上げていけば、無酸素運動に置き換わります。
では、どちらの運動がダイエットに効果的なのか?という問題に至りますが、答えは「筋トレ」と「有酸素運動」の両方を行うことです。
なぜかというと、痩せやすい体質にするには筋肉をつけることがとても大切であり、体脂肪燃焼のためには有酸素運動が大切だからです。
つまり、一番良いダイエット方法は、筋トレをして筋肉量を増やしつつ(痩せやすい体質にしておきつつ)、有酸素運動で脂肪を燃焼させることです。
頻度としては、筋トレも有酸素運動も毎日行うことが適切です。
これは、毎日行うことで運動する事を習慣化させ、サボることを予防できるからです。
有酸素運動は食後1~2時間後に!
有酸素運動は食後1~2時間後に行うのが最適です。
「空腹時に運動をしたほうがすぐに脂肪燃焼がはじまる」と聞いた事があるかもしれませんが、これは少し違います。
空腹時は運動の主体となるグリコーゲン(ブドウ糖)が足りない状態なので、十分なパフォーマンスで運動をすることができません。
言わば、不完全燃焼の運動をしている状態なので、決して効率的なカロリー消費は発生しないのです。
有酸素運動に向いているタイミングは食後約1.5時間経過してからです。
これは、食後に血糖値がピークに達するのは1~2時間後なので、このタイミングでの運動することによって、食後の高い血糖値や中性脂肪値を抑える効果が得られるのです。
また、食後すぐの運動は、消化の妨げになるので、代謝を下げることに繋がってしまうため、避けた方が良いでしょう。
筋トレは食前に!
無酸素運動のタイミングは端的に言えば食前。
しかし、あまりの空腹状態は避けた方が良いため、少しだけ糖質(炭水化物)を入れた方が良いと言われています。
「筋肉をつけるにはタンパク質が必要なんじゃないの?」と思われた方、正解です。
運動の後は、タンパク質を摂取すべきなのですが、タンパク質は体内にとどめておくことができないので、運動の前には軽く糖質(炭水化物)を摂り、運動後にタンパク質を摂取するようにしましょう。
なぜ運動後にタンパク質が必要なのかというと、筋トレにより損傷した筋肉の繊維が補修されるために栄養が必要となるからです。
運動後の食事の際は、肉・魚・乳製品などのタンパク質を多く摂取することを心掛けましょう。
どの程度必要なのかは「ダイエットと合わせて実践したい食事-タンパク質編-」の記事を参考にしてみてください。
脂肪燃焼は運動後すぐに始まる!
運動は何分間するべきなのでしょうか?
実は「20分以上運動しないと脂肪は燃焼されない」というのは間違いです!
「20分以上」という都市伝説がなぜ広まってしまったのか?
ここには、効率良く脂肪燃焼されるのは、通常よりも若干脈拍の高い状態(運動状態)が30分以上続いてからとされているからです。
つまり、運動開始15~20分後ぐらいに、脂肪燃焼の割合が糖質よりも多くなり始めるから、というのがその根拠です。
でも実は、脂肪は運動直後から消費されます。
運動直後から、脂肪がエネルギー源として使われていて、消費するエネルギーの半分近くを占めています。
なので、トータルの消費エネルギーは5分ずつ4回に分けて運動しても、10分ずつ2回に分けて運動してもも、あまり変わらないということが分かってきたのです。
まとまった時間が取れない人や、20分以上の継続した運動が難しい人でも、合計で20分以上の有酸素運動を行うことができれば、十分な脂肪燃焼効果が得られるということになります。
例えば、「最寄駅の一つ手前の駅から歩いて10分」「買い物を車ではなく歩いて行くことで10分」と分けて、合計で20分以上になればOK。
そして、体力がついて、継続して20分の運動が行えるようになったら、20分以上の運動を取り入れるようにしていけば良いのです。
まとめ
- 太りやすい体質は環境(食生活や運動習慣)によって改善できる
- 体質を改善するには、基礎代謝と体温が関係している
- 体質を改善するためには筋肉量を増やすこと
- 運動は有酸素運動・無酸素運動の両方とも大切
- 連続20分以上ではなく、合計20分以上の運動で良い
「太りやすい体質だから仕方ない」と思っていたけど、環境を変えることで体質を改善できるなら、取り組んでみてもいいかもしれませんね!
筋肉をつけることで、効果が良循環を起こしてくれるので、筋トレをやらない手はないですよね!
他の記事でも取り上げていますが、ダイエットは体重ではなく体形(見た目)が大切だと私は思いますので、筋肉がついて体重が増えても気にすることはないと思います。
みなさんも、簡単な方法から筋トレをやってみましょう!